今日ご紹介するのは、「なぜいつも”似たような人”を好きになるのか」(青春出版社)です。
世の中には、長く続いている仲良しカップルや、おしどり夫婦がいる一方で、すぐに別れてしまうカップル、離婚をする夫婦がいます。
相性が良かった、相性が良くなかった、そんな言葉で済ませばそれまでかもしれません。
でも「うまくいく人とうまくいかない人がいるのは何でだろう?」
「人と人の相性って何なんだろう?」
そんな風に思ったことってありませんか?
この本は、そんな疑問に答えてくれます。
「なぜいつも”似たような人”を好きになるのか」を手にとった理由

いつも似たような人と付き合い、似たような別れ方をする友人の存在
タイトルの「なぜいつも”似たような人”を好きになるのか」。
このタイトルを見て「おっ!」となりました。
まさに私の友人がこれ。
ちょうどこの本に出会った数日前、その友人から彼氏と別れたという話を聞いていました。
別れることになった経緯を聞いていると、あれ?この話聞いたことがあるような・・・。
そういえば、前の彼氏とも似たようなことがあった!
その友人、なぜかいつも似たような人を好きになり、似たような別れ方をしているんです。
でも「付き合った人が悪かったよね。また次は良い人に出会えるよ。」などと話しながらその日は別れました。
そんなことがあったばかりなので、この本が目に入ったのかもしれません。
この本を読んで良さそうだったらその友人に勧めようと思いました。
精神科の先生が書く科学的根拠にもとづく話
「なぜいつも”似たような人”を好きになるのか」は、精神科医の岡田尊司(おかだ たかし)さんが書かれた本です。
世の中に恋愛について書かれた本はたくさんありますが、中には根拠が個人の経験や意見にもとづくような信憑性の低いものもありますよね。
そういう本は「私には関係ないな」と興味がもてなかったり、「この人の場合だけでしょ」疑いの目を向けてしまうことも。
「なぜいつも”似たような人”を好きになるのか」は、お医者さんが書いているということと、科学的な根拠に基づいて書かれている点が信用できそうだなと思い手に取りました。
パラパラとめくり、「パーソナリティ分析」と「愛着スタイル」が人の恋愛傾向に関係しているという内容に興味をそそられます。
大学時代、パーソナリティ障害や、愛着について勉強した記憶が蘇ってきました。
知っている言葉が出てくると何だか、親しみが湧いてきます。
この2つが恋愛について関係してくるなんて何だか面白そうだと思いました。
「なぜいつも”似たような人”を好きになるのか」読んでみた感想

この本がおすすめな人
- いつも似たような人と付き合って、ひどい目にあったり傷ついてきた人
- 婚活中で、パートナーになる人を見極めたい人
チェックシートでパーソナリティを自己診断できる
この本では、9つのパーソナリティの特徴と恋愛傾向が解説されています。
自分がどのパーソナリティに該当するか診断できるチェックシートもついています。
一定の点数以上であれば、そのパーソナリティの傾向があると判断できるようです。
自分に該当するパーソナリティが書かれた箇所は、自分ごととして読めば勉強になりますし、そうでないものも「こういう人いるなぁ」と思いながら読むと面白いです。
パートナーがいる方はパートナーを診断しても良いかもしれません。
でも、どのパーソナリティにも当てはまらない場合はどうなのでしょうか。
チェックシートが一定の点数以上にならなかったら・・・?
全ての人が、9つのパーソナリティのいずれかに必ず分類されるわけではないということなのでしょうか・・・。
ちなみに私は、一番点数が高くなったものを自分のパーソナリティとし、読み進めました。
本の最後にチェックシートのまとめがついていて、そこに一番点数が高いものが自分のパーソナリティであるという記述があったので、それに従いました。
あの人にもこんなこと、あんなことが!?
実在の著名な人物のパーソナリティと夫婦関係を解説している部分がとても面白かったです。
誰もが聞いたことのあるような歴史上の人物。
でもその人の夫婦関係となると知らない人も多いのではないでしょうか。
「この人は、こんな人と結婚していたのか」
「こんな一面があったんだ!」
「こんな辛い悲しい思いをしていたなんて・・・」
この本を読んでから、その人や作品を見る目が少し変わりました。
最後に載っている参考文献も読んでみたいと思うほど興味を惹かれた人物も。
自分を理解する手助けに
最初にこの本の表紙を目にした時は、「パーソナリティの偏りを治す方法が書かれた本なのかな?」と思いました。
恋愛がうまくいくパーソナリティと、恋愛がうまくいかないパーソナリティが存在していて、恋愛でひどい目に合わないためには、自分のパーソナリティを変えなければならない・・・といった具合に。
もしかすると、この本を手にした人の中には「恋愛がうまくいかないのが自分のパーソナリティが原因なら、パーソナリティを変えたい」と思っていた人もいるかもしれません。
しかし、この本は、自分のパーソナリティを知り、どう対処したらいいのかを示してくれるものです。
自分を理解する1つの手助けとして、この本は活用できそうです。
恋愛で幸せになるためには、経験値は必要ない?
何事も経験を積むことで、人は成長していくと思います。
時には痛い目をみたり、失敗の経験さえも成長の糧となります。
でも、恋愛で何度も同じ失敗をしてしまう人っていますよね。
恋愛経験が豊富で、異性を惹きつける魅力的な外見の人でも、すぐに別れてしまったり、なかなか幸せになれない人もいます。
経験を積んでいる人ほどうまくいき、恋愛未経験の人は必ず失敗してしまうかというとそうでもないんですよね。
この本を読んで、恋愛は経験値だけじゃないんだなと改めて気付かされました。
好きになる人は選べないけど、付き合う人は選べる
好きになる人って選べないですよね。
こういうタイプの人とは相性が悪い、うまくいかない、幸せにはなれないとわかっていても、好きになっていることってあると思います。
でも、自分のパーソナリティと相手のパーソナリティを知ることで、どんなことに気をつけるべきなのか、それがわかっていれば、結末は変わってくるのかもしれません。
私の場合は、この本を読んだことで、自分のパートナー選びに違った視点が加わりました。
今までは考えもしなかった人が自分にピッタリだと気がついたり、パーソナリティの面から相性を考えてみたり。
いろいろな発見があります。
好きになる人は選べなくても、付き合う人は選べるんだということを頭に入れておきたいものです。
相手についてよく知る=自分についてよく知る
最後まで読んだ感想を一言で言えば、パーソナリティって面白い!
恋愛や相手選びにも役立つなんて、言われてみればなるほど納得なんですが、あまり考えてこなかった。
自分についてもっと知りたいと思いました。
どんなタイプの人が好きか。男性のどんなところに惹かれるか。
では、その理由は?何で好きなのか、何で惹かれるのか。
つきつめて考えていくとと、自分のことが少しずつわかってきます。
自分が好きな人についてよく知っていくのは、自分について知ることにも繋がっていました。